映画鑑賞やデスクワークに最適なチェアを選ぶ方法
はじめに
皆さんのご自宅には必ずチェア(椅子)があると思いますが、リビングで映画を鑑賞する時どんなチェアを使われてますか。
映画鑑賞はソファー(Sofa)に座って見るのが一般的だと思いますが、管理人は最近ゲーミングチェアを使ってます。
ゲーミングチェアはゲーマ専用のチェアだと思い込んで、今まで一度も見向くことがなかったのですが、とても機能的に作られていて、映画鑑賞で快適に使用できることが分かりました。
映画鑑賞とデスクワークのどちらでも使えるチェアをお探しの方は、この記事を参考に最適なチェアを探してみて下さい。
映画鑑賞用にゲーミングチェアを購入した理由
管理人が最近はまっている趣味は映画鑑賞で、Desny+、Netflix、Amazon Prime Videoを5.1 SurunndやDolby Atmosで楽しんでます。
普段映画はリビングのソファーに座って見るのですが、背もたれが低くクッションが楕円形なので楽な姿勢を維持できす、長時間だと疲れる時があります。
Yogiboもありますが、体にフィットするため身動きできる自由度が少なく、長時間の使用は耐えられません。
映画館の椅子がベストなのかも知れませんが、一般家庭のリビングに常設することは無理です。
そこで長時間の使用を前提としたゲーミングチェアやワークチェアの導入が良いのではと考え、映画観賞用の新しいチェアの購入を検討しました。
どのようなゲーミングチェアが欲しいのか
映画鑑賞での使用が主目的とはいえ、デスクワークでも兼用できるものにしたいです。
なぜなら、管理人は毎日椅子に座ってブラウジングしてますが、背もたれが外れた学習机の椅子を使っているため、腰に全体重の約85%がかかり体が疲れるのです。
管理人が欲しい椅子の条件は4つです。
①最適な高さでリラックスして視聴できること
②ランバーサポートやオットマンがありリクライニングできること
③座面は通気性が良く長時間快適に座れること
④一定以上の耐久性があり部屋の中をスムーズに移動できること
購入を検討したチェア
さっそく庶民の味方のニトリに行って現物を調査したのですが、下記理由で購入には至りませんでした。
ニトリのゲーミンミングチェアは生地はPUで高級感はあるものの、全般的に座面が硬く座り心地はイマイチでした。
オットマンがあるのはヘイデンPRO2というモデルですが、キャスターは自重でロックがかかる仕組みなので動きずく使いずらそうでした。また、座面の高さの調整範囲は公表されてなく、えっマジと思いました。
次に座面がメッシュ生地のワークチェアを見たのですが、座面の最低高が46cmと高く、部屋の中で使うと足が浮くかもと思いました。また、座面の反発力が強く、好みではありませんでした。
最後にワークチェア リカルドを見たのですが、これは座り心地が最高で凄く良いかもと思ったのですが、アウトレット品も展示されていたので座ってみあたら、背もたれに体を預けると、カタっと気になる音が出ました。
使用中に可動部のガタが大きくなったためと思いますが、耐久性が心配になりました。また、アームレストは背もたれの角度に連動するため高さが調整できない構成でした。
結局、どれも一長一短があり、決めることは出来ませんでした。
ネットでいろいろリサーチした結果、Wisteria(ウェステリア)のフリーダムチェアを購入しました。
画像出典元:https://www.fujisawa-co.com/tokio/wisteria/
ウェステリアのフリーダムチェアを購入した理由
第1の理由は、デザインがシンプルで生地がファブリックなので、映画鑑賞用として違和感がないと感じました。
第2の理由は、カタログ上の座面の最低高は41.5cmと低かったからです。一般のソファーの座面高さは約40cmなので、ソファー感覚で座れそうでした。
第3の理由は、管理人が決めた①~④条件を満たしているのでは、と感じたからです。
①~④については、ある程度の期間使用してみないと判断できませんが、購入後、数カ月使用した状態では、大きな不満もなく映画鑑賞で快適に使用してます。
以上より、ゲーミングチェアは映画観賞用として十分使用に耐えうると分かったのですが、デスクワークで使用する場合「最適な椅子の座面の高さ」「最適な机の高さ」を確認したくなりました。
実はここからが本題なのですが、疲れにくい椅子への座り方、座面の高さについて興味がある方は、もうしばらくお付き合いください。
椅子について知ってますか?
本題に入る前に椅子の使用に関わる重要なデータをいくつか説明します。
どれくらいの時間座っているのか
皆さんは1日どれくらい椅子に座っているかご存じですか。
The descriptive epidemiology of sitting.の世界20か国の座位時間データによると、日本人は420分(7時間)で、サウジアラビアと同列の1位となってました。ちなみに、13歳以下はもっと長く480分でこちらも世界一です。
7時間って少ないのでは、と思っている方がいると思いますが、最新の調査ではもっと増えているようです。
Pansonicが2022年3月18日~3月22日に20~50代のデスクワークに従事している女性500名を対象に調査した結果によると、平日の平均は1日あたり8.6時間、休日も平均6.9時間、年間では約122日の時間、椅子の上に過ごしているとの結果でした。
椅子に座るのは体に悪い?
立っている時より、椅子に座っている時の方が、頚椎にかかる負荷が大きいことを知ってましたか。
ERGONOMIC TRENDSが公開しているDisc Pressure Chartによると、頚椎にかかる負荷は背骨を曲げたり前傾の姿勢だと最大85%、90°直立だと最大40%、背もたれに体を密着させた110°だと最大5%、直立で立っている時より負荷が大きくなってます。
また、KeeganやBashirの研究によると、太ももと体幹の角度が約135°の姿勢で座った時が椎間板と腰にかかる負担が一番少ないとされてます。
ちなにみ新幹線のグリーン車の2倍の値段と言われているGranClassのシートは、座席幅が52cm、最大135°までリクライニングでき、快適な移動が約束されてます。
一番重要なのは座った時の姿勢
椅子に座って腰が悪くなるのは、椅子に座った時の悪い姿勢が原因と言われてます。
下のイラストは椅子に座った時の理想の姿勢を示したものです。
疲れない椅子の座り方
作業しても疲れない椅子の座り方とは、正しい姿勢で座ることにより、体への負担が少なくなる座り方です。
①椅子には深く座り座骨を座面に当て背筋を伸ばし、足の裏を床につけ、膝の内側と座面の間には指が数本入る隙間を確保します。この時の膝の角度は90°~110°、背の角度は0°~10°の範囲に収める。
②PCを使った作業では、画面の上端が目の高さと同じか少し下で、肘の角度は90°~100°の範囲に収める。
上記のような理想の着座姿勢を補助するものとして、ゲーミングチェアやワーキングチェアには「ヘッドレスト」「ランバーサポート」「アームレスト」が備わってます。
また座面高が高すぎる場合は、足の下にフットレストを置き足の下が接地するように調整したり、キーボード操作が長い場合は、腕の下にパームレストを置くことで、作業中の手首の疲労を軽減できます。
なおゲーミングチェアのレビューで座面の広さやオットマンをアピールするためか、椅子の上で胡坐(あぐら)をかけると説明しているものを見かけますが、ちょっと違和感を感じます。
そもそもあぐらは体が前傾になり腰に負担がかかり、更に骨盤をひずませる原因と言われてますので、椅子の上であくらをかくのは何のメリットもないと思います。
人間工学にもとづいた設計の椅子であっても、座面高や机の高さが最適な高さに調整できてない場合は、ベストな状態で作業できないので注意が必要です。
最適な椅子と机の高さとは
最適な椅子の座面の高さと、適な机の高さは、特に規格化されてなく諸説がありますが、管理人がネットで調べ導きだした独自の計算式を紹介したいと思います。
まず結論として計算式は以下となります。(単位はcm)
座面高と机の高さの両方が調整可能な場合
・最適な座面高 [cm]:sH = (身長×0.25)-1
・最適な机の高さ [cm]:dH =(身長×0.43) - 2 - kH
机の高さが固定の場合
・最適な椅子の座面高 [cm]:sH = 机の高さ -(身長×0.18)+1 + kH
なおこの計算式はあくまでも目安なので±3cmの範囲に入っていれば実用上は問題ないと思います。
用語と計算式の説明
キーボードのキートップの高さ:kH
最適な差尺 =(座高÷3)-1 - kH
(注)差尺(さじゃく)とは机の天面~椅子の座面の距離です。
差尺が大きすぎると腕を上げた状態での作業になるため腕や肩の疲労の原因となり、逆に差尺が小さすぎると前かがみの悪い姿勢になり、腰への負担が大きくなる原因になります。
下腿高 = 身長÷4
(注)下腿高(かたいこう)は床面~膝上の距離です。
座面高と机の高さの両方が調整可能な場合
最適な座面高:sH = 下腿高 -1 = (身長÷4)-1 = (身長×0.25)-1
最適な机の高さ:dH
= 最適な差尺 + 最適な座面高
=(座高÷3)-1cm + (身長×0.25)-1 -kH
=(身長×0.54÷3)-1 + (身長×0.25)-1 -kH
= 身長×0.43 - 2 -kH
参考にキーボード(KB)無とキーボード(KB)有でキートップ高さが4cmの場合について、最適な座面高と最適な机の高さは以下のグラフのような数値になります。
ここで0.54という数字が突然出てきますが、これは身長から座高を換算する時の係数です。従来は0.55という係数を使ってましたが、これは半世紀以上前の統計データから導いた数字で、近年の統計データでは0.54となります。
なお0.54という係数は「学校保健統計調査-平成27年度(確定値)の結果の概要」の数字より導きました。
出典元:「学校保健統計調査」(文部科学省)ちなみに、座高の測定は平成28年(2015年)以降は廃止となってます。
机の高さが固定の場合
最適な座面高:sH
= 机の高さ - 最適な差尺
= 机の高さ -(座高÷3)+1 + kH
= 机の高さ -(身長×0.54÷3)+1 + kH
= 机の高さ -(身長×0.18)+1 + kH
最適な座面高と机の高さの自動計算
電卓をたたいたり、グラフから最適値を読み取るのは面倒臭いので自動計算ツールを作って見ました。宜しかったら下記記事にてご利用下さい。

最適な椅子の座面高さを自動計算する方法 - after work lab
はじめに 先日、ゲーミングチェアの導入について記事を書き、最適な椅子の座面高さを計算する方法を紹介しましたが、自動計算ツールは独立させた方が使い易いのではと思い、リニューアルし再公開することにしました。
まとめ
ゲーミングチェアを使用することで、快適に映画鑑賞ができることを確認できました。
ゲーミングチェアは人間工学にもとづいて設計されていますが、ブランドやデザインだけに目を奪われて選択すると、自分の体に合わないものを使う恐れがあります。
ご自分の身長や使用目的・使用環境を事前確認してから購入し、最適な高さに調整して使用されることをおススメします。
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— あトん🤖Web CodingとAV好きなエンジニア (@HeavyPeat) March 21, 2023
映画鑑賞用にゲーミングチェアを購入したので、その経緯と最適な座面高さについて調査した結果を記事にまとめてみました。
ゲーミングチェアを購入予定の方は参考にご覧下さい。#ゲーミングチェア #ワークチェア #座面高 #Blogger
それでは今回の記事はこれでおしまい。