【穴あけ不要】天井にスピーカーを取り付ける方法
はじめに
Dolby Atmosは天井にスピーカーを配置し、オブジェクトという位置情報を使い任意の位置から音を出すことで3次元的に音を移動させることが出来ます。
その為、従来の5.1サラウンドとは別次元の臨場感を自宅で楽しむことが出来ます。
しかし、Dolby Atmosで映画を楽しもう、と思った時に直面する最大の問題は天井へのAtmosスピーカーの配置です。
天井に穴をあけて金具で固定すれば良いのかも知れませんが、賃貸住宅では許されません。泣く泣く諦めている方も多いのでは、と思います。
今回ほとんどの部屋に必ず付いている、ある器具を上手く利用することで、穴をあけずに天井にスピーカーを配置する方法の説明です。
見栄えはさておき、家族から苦情がこないレベルには出来たので、ブログで公開することにしました。
おことわり
この記事で紹介する方法は、器具の本来の使用方法から逸脱しているので破損や故障が発生しても保証対象外です。従って、実施する場合は自己責任でお願い致します。少しでも不安に思ったらお止め下さい。
天井にスピーカーを取り付ける方法
ある器具とは何かお分かりでしょうか。それは照明を取付ける引っ掛けシーリングローゼットです。
引っ掛けシーリングローゼットは部屋中央の天井に付いているので、5.1.2のDolby Atmosで使用するトップミドルのスピーカーの配置に最適なのです。
なお引っ掛けシーリングローゼット自体にスピーカーは固定出来ないので、ペンダントライトを吊り下げる「ダクトレール」を利用します。
引っ掛けシーリングローゼットの確認
器具の種類によって耐荷重が異なるので、部屋の天井に付いている器具が引っ掛けシーリングなのか、引っ掛けローゼットなのか、どちらのタイプか必ずご確認下さい。
シーリングタイプ
シーリングタイプの耐荷重は約5㎏です。
ローゼットタイプ
ローゼットタイプはの耐荷重は約10㎏です。
耐荷重を超えて使用すると、器具が破損したり落下する恐れがあるので、必ず耐荷重の範囲内でご使用下さい。
ダクトレールの選定
Dolby Atmosスピーカーの位置はメインスピーカーとリアスピーカーの同一直線状にあるのが理想ですが、左右のスピーカー間隔は画面の幅程度以上離れていれば実用上大きな問題はありません。
ダクトレールは長さ1mと1.5mの2種類あるので、部屋のサイズやスピーカーのレイアウトに応じて最適な物をご使用下さい。
なお引っ掛けローゼットの場合は、ローゼットにビス止め出来る構造のダクトレールをおススメします。
また、一般的なダクトレールの耐荷重は約5㎏で、片側だけだと約2.5㎏迄となってます。
耐荷重は鉛直方向の荷重なので、吊り下げる物の重心がレールから横に離れている場合は回転モーメントがかかりレールが変形する恐れがあるのでご注意下さい。
ちなみに管理人はネットでPanasonicのLK04083WZを購入しました。
このダクトレールは耐荷重が約6㎏で長手方向にレールを最大30㎝スライドできるタイプです。
裏側です。複数の取付板が内蔵されてます。
取付板を外した状態です。
スライドタイプのダクトレールにした理由は、テレビとソファのセンターが引っ掛けローゼットから20cm離れていたためです。
Dolby Atmosスピーカーの選定
耐荷重を超えない範囲のサラウンド用スピーカーであれば基本何を使用しても良いです。
新規購入は高いと思われる方は、ハードオフでジャンク品を買うか、メルカリやヤフオフで中古品を購入すると良いでしょう。
管理人は当初ONKYOのD-207MをBOSEのGMA-3で固定しようと考えてましたが、スピーカーが1.71㎏、金具が0.72㎏で合計2.43㎏になり、ペンダントライトも吊り下げると耐荷重を超える恐れがあるため諦めました。
軽いスピーカーを探しにハードオフに行ったところ、YAMAHAのNS-AP8805BLSがペアで3000円で叩き売られていたので買って来ました。
正面(サランネットあり)
正面(サランネットなし)
このスピーカーはツイータの上下をウーファで挟むバーチカルツインと呼ばれる仮想同軸構造です。キャビネットはラウンド形状なので定在波や回析の影響を低減できる可能性があり素性は良さそうでした。
スピーカーの背面にはビスに引っかけるカギ穴とボルト固定用のネジ穴があります。ダクトレールへの固定はこのネジ穴を利用しました。
取り付け金具
ダクトレールに観葉植物を吊り下げているオシャレな部屋を見たことがあると思いますが、スピーカーも同様に吊り下げることが出来ます。
ダクトレール専用のフックは数百円で販売されています。
また、ダクトレール用のハンガーも市販されているので、これを利用しても良いでしょう。
なお、管理人はDIY好きなので、金具は手作りしました。手作りと言ってもホームセンターでステン フリープレートを買ってきて金切鋏で切断しバイスで咥えてコの字に折り曲げただけです。
ダクトレールの取り付け
ローゼットにビスを仮止めします。
取付板を固定し位置を決めます。
もう1つの取付板を先ほどの取付板に固定します。
最後にフランジを取付板のボルトに固定して終了です。
テレビ横幅は144.9cmでダクトレールの長さは144.8cmなのですが、ダクトレールの両端がテレビの幅に合うよう約20㎝ずらしてます。
ダクトレールにスピーカーを固定
自作した金具をスピーカーの背面にボルトで固定します。センターの1か所で大丈夫なのですが、万が一のことを考え2か所で固定することにしました。
なおネジ穴がメートルネジではなかったのでM6のボルトが使えませんでした。マニュアルで確認したところ、1/4inch=外径Φ6.35のネジだと分かったので、ホームセンターでインチボルトを買って来ました。
スピーカーをダクトレールに固定した状態です。ボルトの頭がダクトレールにぶつからないよう、板をサンドイッチしてます。
スピーカーを真下から見た状態です。
スピーカーの取付けが終わったあとで気づいたのですが、ステンはわざわざ折り曲げる必要はなく、短く切断した平板をスピーカーにボルトで固定し両端の穴に長さ30㎝の結束バンドを通して、ダクトレールに結ぶだけでの方法が簡単で良かったかな、と思いました。
スピーカーコード
スピーカーのコードはスピーカー専用線ではなく、一番安価な平行ビニル線を使用しました。
音が悪くなるのではと心配する方がいるかも知れませんが問題ありません。高価なコードを使用しても音質を聞き分けることは不可能で、自己満足以外に意味はありません。
なおコードがむき出しだと少し見栄えが悪いので100均のコードチューブをかぶせてごまかしました。
ケーブルの引き回しと固定
ケーブルが剥き出しだとカッコ悪いのでモールでカバーします。
ELPAの壁用ABSモールが一番安かったのでこれを買って来ました。
モールをテープで固定してしまうと取り外す際に壁紙が剥がれる恐れがあるため、気軽に移動できません。
従って、モールはΦ0.9のこびょうを壁に撃ち込んで固定しました。
とても細い釘なので、モールを外した時の針穴跡はほとんど分からないです。
以上で作業はすべて終了です。
こんな大変な作業はやりたくない、という方には別のおススメの設置方法があります。
スピーカー付きシーリングライトの設置
実はPanasonicからスピーカー付きのシーリングライトが発売されてます。
HH-CD1298AはHH-XCH1209Aの新製品発売に伴い生産終了ですが、現在Amazonで約半額で販売されてます。
このシーリングライトは1ウェイ バスレフ型で3cm×9cm コーン型フルレンジユニットを搭載しており、Bluetooth接続でスマホでも操作できる優れものです。
出典元:パルック LEDシーリングライト(サウンドシリーズ パネルタイプ<スピーカー搭載>)このスピーカー付きのシーリングライトを導入する最大のメリットはスピーカーケーブルの引き回しや目隠し工事が一切不要です。ポン付けで設置が完了するので超楽チンですね。
デメリットは高価なことと、引っ掛けシーリングローゼットに固定する為、この中心線上に画面センターを合わせる必要があり、テレビの設置位置が制限されます。
なお、AVアンプのスピーカー端子からDolby Atmosの音を飛ばすためには、ハイローコンバータと変換ケーブルを使い、ワイヤレス送信機に接続する必要があります。
まとめ
引っ掛けシーリングローゼットを利用すると、穴をあけずに天井にDolby Atmosのスピーカーを取付けることができるので便利です。
ダクトレールを利用してスピーカーを吊り下げたり、スピーカー付きのシーリングライトに交換するなど、いろいろ方法があります。
天井スピーカーの設置で悩んでいる方は、一度参考にして下さい。
気軽に足跡残してね!
この記事が「気になった・参考になった」と感じた方は、リアクションボタンか、ツイッターで♡いいねを押して、足跡を残して頂けると嬉しいです。
https://t.co/voVqXBZfEb
— heavy-peat (@AfterWork_Lab) August 21, 2022
穴をあけずに天井にスピーカーを設置する方法を記事にまとめてみました。
天井スピーカーの設置方法にお悩みの方は参考にご覧下さい。#天井スピーカー #Atmos #ドルビーアトモス #DolbyAtmos #Blogger
それでは今回の記事はこれでおしまい。