4Kテレビの視距離は画面の高さの2倍以上がおススメだった
はじめに
皆さんは4Kテレビのおすすめ視距離を知ってますか?
4KテレビはフルHDテレビの約半分の距離で視聴できるので、狭い部屋でも大型テレビが楽しめますよ、だから買い換えるなら大型テレビがおすすめです、という説明を見かけます。
理由は利益率が高い大型テレビへの入替えを推進するためですが、4.5畳は43V型以上、6畳は49V型以上、8畳は55V型以上、10畳は65V型以上、16畳は75V型以上と宣伝してますね。
そして4Kの場合は「画面の高さ×約1.5倍」がテレビをもっともきれいに見られる距離で、43V型は約0.8m、49V型は約0.9m、55V型は約1.0m、65V型は約1.2m、75V型は約1.4mがおすすめ視聴距離となってました。
今年管理人は42V型のフルHDテレビが故障したので65V型の4Kテレビに買い換えました。
大画面を選択して本当に良かったと感じてますが、65V型のおすすめ視距離が約1.2mというのは、大きな違和感を感じました。
1.2mの視距離はとても快適とは全く感じられないのです。
あくまで目安で個人差があると注記されてますが、目安になってない指標だと思いました。
これはPanasonicのビエラJZ2000の宣伝動画ですが、めっちゃ近くないですか。
画面の高さ×約1.5倍というコマーシャルを鵜呑みにすると、実は大画面を快適に楽しめないリスクがあるのではと思い、調査・検証した結果を記事にまとめてみました。
画面の高さの2倍以上の視距離がおススメという結果ですが、ご自分の部屋環境や体調に応じて適切な視距離をとって頂けると良いかと思います。
画面の高さ×約1.5倍説はどこから来ているのか
これは2013年公開のNHK技研記事の下記部分が都合よく引用されてしまったようです。
8Kシステムでは視角100°以下(視距離0.75H以上),4Kシステムでは視角60°以下(視距離1.5H以上),2Kシステムでは視角約30°以下(視距離3H以上)であれば画素構造は検知されない。
画素構造が検知されなければ実物感が高まるという説明は理解できますが、テレビメーカーが視距離を視聴距離に変え、1.5H以上を約1.5倍がおすすめと、都合よく改変しているのにはビックリしました。
なお、視距離1.5H以上は万人に当てはまるものではなく、視力が1.0という条件での説明なので、視力が良い人は1.5Hだと実物感は低くなると思われます。
視力と視力1.0とは
視力とは離れた二点が見分けられる最小の視角とされてます。
視角とは眼と対象物の両端(二点)とを結ぶ2本の線がつくる角度のことで、国際規格では視角1分を判別できる時の視力を1.0と定義されてます。
なお、1分は角度を表す単位で、1度の60分の1の角度です。
視力の検査方法
視力検査はランドルト環と呼ばれるマークの切れ目(すき間)の方向の判別で行います。
ランドルト環はスイスの眼科医エドムンド・ランドルト(Edmund Landolt)がフランスで考案したものです。
アルファベットのCに似てますが、環の直径が5a、環の幅がa、環の切れ目の幅がaで構成された記号です。すごくシンプルですね。
日本での遠見視力の測定では、環の直径が7.5㎜、環の切れ目が1.5㎜のランドルト環を5mの距離から判別できた場合を視力1.0としてます。
これを国際規格で計算すると、視力1.0は5.16mの距離から判別する必要がある為、約16㎝近いズルい?検査となってます。
テレビの画素構造
テレビの画素はRGBの3セルが一対で構成されており、これを1画素(1ピクセル)と呼んでます。
ハイビジョン(2K)は207.36万画素(1920×1080)、4Kは829.44万画素(3840×2160)、スーパーハイビジョン(8K)は3317.76万画素(SHV:7680×4320)で構成されてます。
4Kは1.5H以上で画素構造が検知できないのは本当でしょうか
65V型4Kテレビの1画素は0.375㎜です。
視力1.0の人が0.375㎜の切れ目を判別する限界距離を計算すると1.29mとなり、メーカーがおすすめしている約1.2mと約9㎝の差がありました。
管理人の矯正視力は1.2ですが、視力1.2の1画素(0.375㎜)の判別限界距離を計算すると1.55mでした。
視距離を画素構造の判別限界距離で決めるのは複雑で現実的でないと感じました。
別の指標を調べてみます。
眼の視角
人間の眼の視野を調べると、中心視、有効視野、周辺視野の3領域があることを知りました。
中心視は形や色を明確に見分けることができる領域で1~2°の視角とされてます。視力検査は中心視で行っていると言えます。
有効視野は水平方向が片側約30°、上下方向が40°とされており、眼球運動だけで明瞭に認識できる領域です。
周辺視野は見えているけど形や色を明確に見分けることはできない領域で水平方向が片側100°、上下方向は上60°下70°とされてます。
ちなみに周辺視野は簡単に確認できます。
手のひらを前に出して、腕を上下左右に移動させた際、手のひらが視野から消える場所が周辺視野の境界になります。
管理人はこの方法で水平方向の周辺視野をチェックすると90°未満で少しショックでした。
話を元に戻します。
視距離は画面の高さの2倍以上が良い理由
4Kテレビの画像コンテンツを最大限に楽しむためには、有効視野の内部に画面が収まる必要があるのではと考えました。
視位置からの画角が60°を超える画像は頭を動かさないと明瞭に認識できないので60°以下の画角が確保できる距離をとる必要があります。
言葉を書いても良く分からないので作図してみました。
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画面全体が有効視野に入る視野角を計算すると47.5°でした。
これを視距離に換算すると1.62mで、画面の高さHの丁度2倍(2H)でした。
さっそく1.62mの距離から4KのYouTubeコンテンツを鑑賞したところ、ギリギリ許容範囲かなと感じました。
2Hの距離での映画視聴は少しきつく、THX推奨(40°~36°)の視距離が快適だと思いました。
なお地上波放送は画面の動きが多いので2Hは近すぎで、従来の3Hが違和感なく視聴できる距離だと感じました。
まとめると視聴位置は下記ポジションになります。
まとめ
メーカーが推奨する視距離は「画面の高さ×約1.5倍」ですが、とんでもなく近く、快適な視距離とは言い難いです。
いろいろ複雑な計算をした結果、快適な視距離は2H以上だと判断しました。
大型TVを購入予定の方や、視聴場所で悩んでいる方は、管理人が考えた視距離を参考に検討してみて下さい。
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— heavy-peat (@AfterWork_Lab) July 18, 2022
4Kテレビの視距離は「画面の高さ×約1.5倍」が推奨されてますが、これは近すぎると思います。
快適な視距離を検討し記事にまとめてみました。
4Kテレビユーザーは参考にご覧下さい。#Blogger #4Kテレビ #視距離 #視聴距離
それでは今回の記事はこれでおしまい。